ZX25Rの不具合、リコールがカワサキから正式に発表になりました。「リコール対象」となっているのが「カムシャフトチェーンテンショナー」の強度不足です。実は「リコール」という名称はこれだけです。
ですが「リコール」とは言わないものの「サービスキャンペーン」という名前で散々取り上げられているZX25Rの不具合「エンジンかかりにくい問題」解決のための施策も今回無償でカワサキプラザ等で修理してもらえます。
目次
もっとも詳しい動画はこれ!
ZX25R最速納車動画でおなじみの「走れ!かっさんチャンネル」さん。
カワサキプラザさんから丁寧な説明を受けていらっしゃいます。
1.カムシャフトチェーンテンショナー
まず「リコール」対象となっている「カムシャフトチェーンテンショナー」の不具合です。
この不具合は、部品の強度不足により部品破損の恐れがあり、最悪の場合、走行中にエンジンが停止する恐れがあるといいます。
この不具合はZX25Rに限らず、Ninja 400、Z400、Ninja 250、Z250、Ninja ZX-25R、Ninja ZX-25R SEとおそらく「東南アジア生産」のスーパースポーツ系バイクの製造品質管理体制の甘さが招いた結果でしょう。
2.ECU書きかえ(エンジンかかりにくい問題の解決策)
以前よりこのブログでも、2020年発売製造のインジェクションバイクでエンジンがかからないなんておかしい、と発信し多くの方に見ていただきましたが、やっとカワサキが動きました。
2020年9月の発売当初からこの「エンジンがかかりにくい」という不具合がありました。
しかし、販売店からは「様子を見てください」という説明しかなかったようです。
発売から3ヵ月。この非をようやくカワサキが認め、改善することとなりました。
改善も「ECU」のプログラム書き換えのみで、部品交換などの機械的な改善ではないようです。
エンジンかかりにくい原因と改善
原因
「インジェクター」という燃料噴霧を電子制御で調整している部品が正しくエンジン内の燃料の量を把握できていない、というのが「エンジンかかりにくい」問題の原因です。
エンジンを切った時が燃料を噴射された直後の場合、エンジン内が「燃料が濃い」状態の時があります。
しかし、初期ロットのZX25Rでは、それを正しくECUが認識しないというのが不具合の原因となります。
「燃料が濃い」状態にも関わらず、エンジン再始動の時にさらに燃料を噴射することで必要以上に燃料が濃い状態となりエンジンがかかりにくくなるのです。
ただの「プログラムミス」という結果だったようですね。
この「エンジンかかりにくい問題」は個体差があるようで、全くこの現象が起きない個体もあるようですが、書き換えてもらったほうが安心です。
3.サイドスタンドスイッチ作動ピンの不具合
現代のバイクはサイドスタンドが降りているとエンジンが停止するような仕様になっている車体が多く存在します。
サイドスタンドを出したままでエンジン始動はできますが、1速に入れるとストンとエンジンが停止するので、サイドスタンドエンストを起こす方は多いと思います。私もたまにやります。
このサイドスタンドの不具合はこのサイドスタンドが降りている指令を伝える突起「ピン」の位置がずれていることで、正しく指令が伝えられない、もしくはピンが折れて指令が出せないものがあるといいます。
これの不具合も全ての車両が対象というわけではないようですね。
「リコール」と「サービスキャンペーン」名前の違いとは
今回の「リコール」には驚きました。
「リコール」はカムシャフトチェーンテンショナーの不具合のみです。「Yahoo!トピックス」に出ていた記事を読むと、このリコールしか記事に載っていなく、ECUとサイドスタンドの修理はYouTubeで知りました。
まず、エンジン始動性改善の「ECU」の書き換えが「リコール」という名前ではなく、「サービスキャンペーン」という名前であったことです。
「命」に関わらなければリコールではないという主張でしょうか。
山の中、誰も助けてくれない状態でエンジンがかからないなんて「寿命が縮まる」くらいの焦りや不安を生む可能性があるのに、「サービス」で修理するので気になる方は来て下さいという軽めのニュアンスはとても不信感を感じました。
とはいえ、改善されて良かったと思います。
ちょっと「初期ロットは不安」という方でも、もう購入しても大丈夫なのではないでしょうか。
皆さんの参考なれば幸いです。
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