端的にいうと、本書の大部分が「お金持ち」に対して、お金を欲望のままに使うな!ということが書かれている。余剰のお金があって高級車や時計、港区女子に費やすのであれば、投資をしてお金を増やそう!というのがこの本の本質。お金を使う例が派手なように、年収1000万以上を達成して「贅沢したい欲望」を持ってしまった人に対しのメッセージが強い。
そのお金を使うなという意味は「節約」という意味ではない。
フェラーリなどの高級な車を買っても、それはただの見栄や欲望からの行動なだけで無駄ということ。
逆にいうと、「普通の年収」の人が生活の足のためにプリウスを買うことは、この本の中で全く対象外なのだ。
普通の年収の人間はどうすればいいのか
残念ながら普通の人には「貯金」するように言っている。
よくある、投資で10万を1億にする!みたいな本は多いが、全くそこに本質が無いことをこの本は教えてくれる。
まず、「300万貯めなさい」と与沢さんは言う。
そこからが始まりなのだと。
この300万というのはつくづく絶妙だなと思う。
実際のところ100万貯金はなんとかなりそうだが、普通の人はそこで安心して、それ以上は旅行や、ちょっといい家電や家具を買って贅沢するのでなかなか貯まらないのが現実だ。そこも見抜いている。
そこを改善してまずお金を貯めるという「修行」のようなことをしなさいと言うのだ。
とても理にかなっている。この貯金という修行は将来、お金を持った時の欲望を抑える練習にもなる。
年収が1,000万の人でも、実際は手取りで700万ぐらいと言われている。独身貴族なら話は別だが、そのぐらいの年収の方は大概結婚していて、子供が2人ぐらいいたりしていて、ちょっと広い家に住んでいる。
そんな家庭は月に残るお金が30万以下、年に貯金できるお金が300万以下になることもあるのだ。これを見ても一見お金持ちに見えても300万円は簡単では無いことがわかる。
欲求不満こそ正義
一つ朗報だ。
私のような貧乏人は、お金があるとついに使いたくなる。
最近では欲しいバイクがたくさん発表されて、ローンならどれがいけるだろうかと日々シュミレーションを重ねている。
その「欲しい!」を「今買う!」にしてはいけない。
欲しいけど今は我慢!にするのが正しい。
我慢するのはものすごい「モヤモヤ」する。一種の「怒り」のような感情も湧いてくる。この感情は抑えるのが辛い。
だけど、その「欲しいという欲望」が活力になっているのも事実だ。
この欲望、欲求不満が、新しいバイクを買うためにどうしたらいいのか、給料が上がるためにはどう仕事をしてけばいいのかを考えさせてくれる。
人の大半は欲しいものがなければ、目標がなければ、「成長」しようとしない。
もちろん、現状に不満がなければそれでいいが、私はそうでは無い。
年収が高い人、これから「貯金」というスタートラインに立ち、その後「お金」とどう向き合っていけばいいか、「お金」と「人間の欲望」について深く書いてある良書である。
このページの内容は本の一部を取り上げただけなので、お金の増やし方などの詳細はぜひ本書を読んで勉強して欲しいと思う。
みなさんの参考になれば幸いである。