BLACKSTAR ( ブラックスター ) ST. JAMES 50 6L6 BLACK Comboを購入しました。購入の条件は、TWO-ROCKをはじめとした高級ブティック系アンプに使用される音に温かみがある6L6の真空管を使用したアンプ、軽量で、20万円未満。そして機能的には出力が下げられるアッテネーター、そしてプリアンプを挿せるセンドリターンの端子がついているアンプ。家で快適にアメリカンサウンドを楽しめるアンプが欲しく、その条件に当てはまるのがBLACKSTAR ( ブラックスター ) ST. JAMES 50 6L6でした。
- 真空管タイプ:6L6
- クリーンの音がヴィンテージアメリカンなタイプ
- アッテネーター装備か10W以下
- センドリターン端子
- できれば軽量20kg以下
- 価格が20万円未満
個人的にはダンブルアンプ系、いわゆるブティック系のアンプの音が好き、特にTWO-ROCKが良いのですが、中古でも安くて50万台から100万円するので、まず手が届かない。MOGANやSHINOS、AKGのような30万円前後のダンブル、ブティック系もありますが、手が届きそうでちょっと高い、そして買ってみたもののちょっと違うと思ったら勿体無い。。。
フェンダーの小さい真空管アンプは小さいタイプはセンドリターンがついていない、さらにアッテネーターがついていないので家では音が大きいというレビューもあり控えました。
色々と探しまくった結果、出会ったのがBLACKSTAR ( ブラックスター ) の「ST. JAMES 50 6L6 BLACK Combo」です。
目次
サイズ・重量
ST. JAMES 50 6L6 BLACK Comboは、同クラスのアンプの中でも圧倒的な軽量設計が特徴です。
スピーカを含むコンボモデルでも12.8kgと、持ち運びが非常に楽々です。
- 特別仕様のCelestionと共同開発したスピーカー「Zephyr」
- キャビネットに、強度と軽さ、そして音響特性に優れたキャンドルナット材の合板を使用
- SMPS(Switched-Mode Power Supply)技術に基づいて設計された高効率で軽量な電源トランスを使用
- デジタルリバーブ
40W、12インチスピーカー搭載の真空管アンプ「Marshall DSL40C」で重量が22.9kgと、50Wの真空管、12インチスピーカーを搭載したコンボアンプは20kgあたりのものが多く、高級なモデルだとスピーカーなしのアンプヘッドだけで20kgを余裕で超えますので、このコンボアンプの凄さがよく分かります。
注意点としては、リバーブはデジタル処理での音ですので、真空管でのリバーブではありません。公式サイトではデジタルリバーブのことは多く語られていませんが、真空管でのリバーブの音が欲しい方はこちらは選択しない方が良いでしょう。リバーブの音は特に違和感はなく、高音質かと思いますが、軽量化とトレードオフですね。
自宅での練習のみならず、ライブハウスへの持ち運びにも最適です。
50Wモデル真空管アンプで12インチのスピーカーを搭載するモデルですので、サイズはしっかりと大柄。
今まで使用していたVOXのパスファインダー10と比較しても大きさは倍以上あります。
サイズは横が535mmx高さ 462mm x奥行き 259mmです。
付属品
箱から本体を取り出しても説明書や付属品がありませんでしたが、付属品は背後に隠れていました。
段ボール箱がきっちりと背後の隙間に挟まっていて気持ちがいいです。
中には電源ケーブルとフットスイッチが入っています。
フットスイッチは金属製でずっしりとして質感が高いです。フットスイッチ別売りモデルも多いですが、付属しているのは良心的ですね。
フットスイッチはクリーンとオーバードライブの「CHANNEL」切り替えと、よりローエンドをきかせて音に厚みを出す「VOICE」モードのオンオフ切り替えができます。
説明書と保証書も入っていました。
上質なハンドル
本体上部を見ていきましょう。目に入ってくるのは上質なハンドル。
本革ではないかもしれませんが、それっぽいスターマークの入ったハンドルは高級感とアメリカンな雰囲気が出てます。
上部コントロール
EQなどのコントロール部分は上部にあります。
トグルスイッチとノブで構成されています。、トグルスイッチがテンション上がりますね。
左から見ていきましょう。
- POWER トグルスイッチ
- STBY トグルスイッチ
- Master
- POWER セレクトトグルスイッチ(50W、SAG、2W)
- Reverb
- Treble
- Middle
- Bass
- Volume II(チャンネル2専用のボリューム)
- VOICE / BOOST セレクトトグルスイッチ
- Gain II(チャンネル2専用のボリューム)
- チャンネル II セレクトトグルスイッチ
- Volume I(チャンネル1専用のボリューム)
最初わかりにくいのはトグルスイッチのオンオフ。
「POWER」と「STBY」のトグルスイッチは「0」がオフ、「|」がオンの状態です。
STBYがオフになっていると、スピーカー出力が切断され、音が出なくなります。使い方としては、PCなどに接続して録音するときに使うようです。
Volume I(クリーン)とVolume II(歪み)に分かれているのが特徴的です。
Volume Iはゲインのコントロールはなく、ボリュームのみとなる一方、Volume IIはボリュームとゲインの両方でコントロールします。ですので、Volume IIはボリュームを上げてもゲインが0なら音は出ません。
POWER セレクトトグルスイッチ(50W、SAG、2W)
50Wはその名の通り、このアンプが持つフルパワーです。そしてこのアンプにはアッテネーターが装備されていて、2Wでの出力でアンプが使用できます。2Wでは、音質を変えずに出力を落とせるので、家での練習時でもいい感じにアンプを使えるようになります。
そして聞きなれない「SAG」ですが、私にはよく分かりませんので、以下公式マニュアルから引用です。
この設定には、音が大きくなる移り変わり(アタック)で最も顕著になる、動的コンプレッションの形式である電源供給の「サグ」が含まれます。 全体的なヘッドルームは50W設定よりも低くなり、「フィール」はより柔らかく、より「ヴィンテージ」になります。 実際に体験すると理解しやすいです。
公式マニュアルhttps://blackstaramps.com/wp-content/uploads/2022/06/180401M-6-ST.-JAMES-MANUAL.pdf
家で使用する音量だとSAGと50Wの違いは分かりませんでした。
軽量なスピーカー
軽量なコンボアンプですが、1x 12″ Celestion Zephyrスピーカーを搭載しています。
ネットはグレーの温かみのあるカラーで、素材感はファブリックな感じ。クラシック感とモダンさを両立させています。
スピーカーは老舗であるCelestion社と共同開発した特別仕様。通常のスピーカーよりも軽量に作られ、全体の軽量化に貢献しています。
Zephyrは、Celestionと共同で開発を行ったBlackstar独自の軽量フェライトスピーカーです。Zephyrは、Celestionの代表的なスピーカーである”Vintage XNUMX”の豊かなサウンドとパフォーマンスを正確に再現し、ネオジムマグネットではなく、正統派のフェライトマグネットで特性を実現しています。
https://jp.blackstaramps.com/ja/st-james/
軽量化しても音質に妥協していないスピーカーです。
背面の端子
背面の端子を見ていきましょう。背後からは見えず、下から覗き込むタイプです。
埃は入りにくいですが、ちょっと使いにくい気はします。頻繁には使わないゾーンではありますが。
端子はこんな感じです。右から見ていきます。
スピーカー接続端子と外部録音用のCAB RIGスピーカー・シミュレーション出力である「MONO BALANCED XLR D.I.OUTPUT ソケット」と「STEREO JACK LINE OUT /PHONES ソケット」があります。
LINE OUTソケットはヘッドフォンにも接続ができます。
その隣には「Effects Loop」のセンドリターン端子があります。これがあるのでエフェクタータイプの外部プリアンプの接続も可能です。
その隣にはフットスイッチの接続口、一番左側はUSB AUDIO ソケットです。ケーブル付属はしていませんが、USB-BタイプのケーブルでPCと接続できます。Bタイプはプリンターとか普段見ない特殊な差し込み口のやつですね。
「POWER」トグルスイッチをオンにすると、キュイーンという音とともに立ち上がり、「BLACK STAR」の文字が光ります。
説明書には、「オンにすると、前面の「BLACKSTAR」ロゴが点灯し、あなたがこの製品を選んだお目の高さをバンドと観客に知らしめます。」となかなか粋なことが書いてあります。
確かに存在感は出ますね。センスあります。
そして、真空管がオレンジにだんだんと色づいていく様子が、上の換気口から見えます。
これも暗めの部屋で見るとテンション上がりますね。
音は?
音は、普通にいい音。
今まで、VOXのパスファインダー10という初心者、家での練習用アンプを使用していましたので、余計に素晴らしさを感じます。やはり初心者用は音に籠りのようなものを感じます。
モード1のクリーンに関して、コンセプトは「60年代のアメリカンなヴィンテージクリーンサウンド」を目指したとのことです。
しかし、音作りの雰囲気はアメリカンな雰囲気はもちろん出ていますが、TWO-ROCKやKINGTONEのようなブティック系アンプの高価なモデルの色気のある音はしません。
安定感のある、より厚みのあるフェンダー系の音、本家フェンダーのようなキラキラ感は強くありませんが、しっかりと重心のあるいい音です。
一方の「Volume II(歪み)」チャンネルはちょっと暴れる系の音です。商品説明にも書いてありますが、6L6モデルの「Volume II」チャンネルはどちらかというとマーシャル系のモダンな歪みです。
私は「6L6」モデルと聞いて、フェンダー系、ダンブル系のクランチサウンドをイメージしていましたが、このセントジェームズ「6L6」モデルはその逆でブリティッシュ系のハイゲインな歪みでした。
一方「EL34」モデルは「クラシック系」の落ち着きのあるVOX系、ダンブル系のチャイミーな感じとのことです。個人的には「Volume II」チャンネルに関しては「EL34」モデルの音が好みでした笑。
ロック系の「6L6」、ブルース系の「EL34」という立ち位置の様です。
「6L6」モデルの「Voice」をオンにすると、結構暴れる感じでなかなかハード。結構ジャキジャキ、ザラザラとします。
個人的には「Volume I(クリーン)」メインで、音により厚みを出したい時は「Volume II」はゲイン低めで使うのが好きです。
音を変えたい場合はセン端子を使用してプリアンプを挿せば、音質を変えられます。
Blackstar St. Jamesはモードを2つ備えることで、いろいろな顔を見せてくれますね。
皆様の参考になれば幸いです。