⚠️記事内に広告を含みます

新型SV-7GXの魅力まとめ|エンジン・電子制御・装備・シート高を詳しく解説

「スズキ、新型SV-7GXを発表」――そんなニュースが流れた瞬間、思わず手を止めたライダーは多いはずです。SV650が終わってしまうのでは…という不安がどこかでくすぶっていた中、まさか“新しいSV”がミドルクラスに戻ってくるとは思いませんでした。しかも今回のSV-7GXは、アドベンチャーバイクとストリートスポーツの中間という絶妙な立ち位置。Vツインの魅力をしっかり残しながら、現代のバイクらしく電子制御もフル装備してきたあたり、スズキらしいバランス感覚を感じます。

公式スペックを読み進めると、SV650のDNAを継ぎながらも別ジャンルへ踏み込んだ“クロスオーバー”という言葉が妙にしっくりきます。疲れにくいアップライトなポジション、扱いやすい645ccの90°Vツイン、そしてライドバイワイヤやSDMS、双方向クイックシフターまで搭載。普段は街乗り中心の人でも、「週末ちょっと遠くまで足を伸ばすか」と背中を押してくれるようなバイクに仕上がっています。

最近はハイパワーなパラレルツインが勢いを増していますが、スズキがあえて“Vツイン”を残し、さらに進化させて登場させてきたのは小さな事件と言ってもいいかもしれません。
SVシリーズを愛してきたライダーにとっても、これからミドルクラスの新車を探す人にとっても、SV-7GXはかなり有力な選択肢になる予感がします。

SV-7GXとは?──SV650のDNAを継ぐ新世代クロスオーバーの誕生

SV-7GXは、スズキが誇るVツイン・ミドルクラスの新しい形を示すモデルです。25年以上続いた「SV650」のスピリットを引き継ぎながら、アドベンチャーとストリートの境界線を軽やかに越える“クロスオーバーバイク”として誕生しました。開発の狙いは明確で、俊敏さと快適性、その両立です。スポーツバイクの鋭さと、ツアラーのゆとりを融合させた結果、街中でも、郊外のワインディングでも、ツーリングロードでも自然体で乗れる万能さを手に入れています。

外観からもSV650とのつながりは感じられますが、ポジションは明らかに異なります。ライダーをやや直立に保つ広めのテーパーハンドル、ゆったりとした足まわり、そしてツーリングを意識したウインドスクリーンやナックルカバーが標準装備。いかにも「新しい時代のSV」という雰囲気をまとっています。

スズキはこのSV-7GXを、単なるSV650の後継ではなく「新しい方向性」として位置づけています。扱いやすさと親しみやすさはそのままに、最新の電子制御やスマートコネクト機能を取り込み、より多彩なシーンに対応。かつてSVで走り回ったライダーも、これから初めて大型二輪に挑戦する人も、どちらにも響くバランス型の1台に仕上がっています。

進化した645cc Vツインエンジンの特徴──熟成の極みに達した“最後のVツイン”かもしれない存在

SV-7GXの心臓部には、スズキが長年磨き続けてきた 645cc・90度Vツインエンジン が鎮座しています。SV650の代名詞とも言えるこのエンジンは、登場から25年以上の歴史がありながら、その都度アップデートを重ね、いまやミドルクラスでは珍しい“生き残ったVツイン”といっても過言ではありません。スムーズで扱いやすく、それでいてVツインらしいパルス感がにじむ独特のフィーリングは SV シリーズの大きな魅力でしたが、今回のSV-7GXではそのキャラクターを残しつつ現代的に再構築されています。

まず大きな進化が、ライドバイワイヤ化。アクセルワークはより正確かつ滑らかになり、スズキドライブモードセレクター(SDMS)やトラクションコントロール(STCS)、双方向クイックシフターなどの電子制御との連携も自然になりました。従来のSVとは一段違う“電子制御の世代”に突入した印象です。

燃焼効率も大幅に改良されています。
ダウンドラフトスロットルボディ、最適化されたインジェクター、デュアルスパーク・イリジウムプラグ、SCEMメッキシリンダー、L字型のピストンリング と、信頼性と耐久性を高める技術を惜しみなく投入。これらの変更により、Euro5+にも適合しながら、スロットルレスポンスの鋭さや低中速域の扱いやすさがさらに向上しています。

ミッションには、双方向クイックシフター対応の6速トランスミッション を採用。クラッチを握らずにアップ・ダウンが自在にでき、スポーツ走行はもちろん、ツーリング中の疲労軽減にも効果的です。「Vツイン+クイックシフター」という組み合わせは、乗ると地味にクセになるポイントで、ミドルクラスとしてはかなり豪華な装備と言えます。

総じてSV-7GXのVツインは、かつてのSVの“親しみやすいエンジン”というイメージのまま、現代のバイクに求められる性能をしっかり満たした仕上がりです。大げさではなく、「これがスズキVツインの最終進化形かもしれない」と思わせる完成度を持っています。

エンジンスペック詳細表(SV-7GX / 欧州仕様)

項目内容
エンジン型式4ストローク・90°V型2気筒・水冷・DOHC
総排気量645 cm³
ボア × ストローク81.0 mm × 62.6 mm
圧縮比11.2:1
最高出力54 kW / 8,500 rpm(約73.5 PS)
最大トルク64 Nm / 6,800 rpm(約6.5 kgf·m)
燃料供給方式フューエルインジェクション
スターター電動式
潤滑方式ウェットサンプ
トランスミッション6速コンスタントメッシュ
一次減速比2.088(71/34)
最終減速比3.066(46/15)
点火方式トランジスタ式電子点火
燃料タンク容量17.4 L
オイル容量(オーバーホール時)3.0 L
Euro規制Euro 5+ 対応
電子制御ライドバイワイヤ / SDMS / STCS / 双方向クイックシフター
WMTC燃費23.8 km/L(4.2 L/100km)
CO₂排出量97 g/km

SV-7GXのVツインは 8,500回転で73.5PS を発揮する設定で、数字だけ見ると過激さよりも扱いやすさを優先した味付けです。最大トルクは 6,800 rpmで64Nm

一般的なパラレルツインのように“どこでも同じようにトルクが湧く”という特性とは少し異なり、
Vツインらしい中回転域の厚み が感じられるタイプ。
街中では低〜中速のパルス感、郊外では6〜8千回転付近の伸びが楽しめるバランス型のエンジンです。

ライドバイワイヤ化によってレスポンスが洗練され、従来のSVよりも回転上昇の質感が滑らか。
クイックシフターとも相性が良く、ツーリングだけでなくワインディングで「つい回したくなる」回り方をしてくれます。

SIRS(スズキインテリジェントライドシステム)の詳細──電子制御が“自然に効く”最新世代のSV

SV-7GXで大きく進化したポイントのひとつが、SIRS(Suzuki Intelligent Ride System) の搭載です。名前だけ聞くと「ハイテク装備盛りすぎでは?」と思うかもしれませんが、実際は“必要なときだけそっと手を貸してくれる”落ち着いた電子制御で、SV650時代の素直な扱いやすさをしっかり残しています。スズキはこの自然さをとても大事にしているようで、乗り手が「電子制御に乗せられている」という感じがほとんどありません。

SDMS(スズキドライブモードセレクター)― 走りの性格を気分で変えられる3モード

SV-7GXには 3種類のライディングモード(+OFF) が用意されており、スロットルレスポンスや出力特性を簡単に切り替え可能です。

  • モードA:最も鋭いレスポンス。山道や元気に走りたい日に◎
  • モードB:オールラウンド。街乗り〜ツーリングまで迷ったらコレ
  • モードC:マイルドで扱いやすい設定。雨、渋滞、初心者にも優しい

電子制御が増えるとつい構えてしまいがちですが、SV-7GXのSDMSは“切り替えてもSVのまま”。
違和感なく使えるのが良いところです。

STCS(トラクションコントロール)― 3段階+OFFで滑りやすい路面も安心

STCSは 3レベル+OFF の細かい設定が可能。

  • レベル3:雨、濡れたマンホール、砂利……とにかく安全重視
  • レベル2:街乗り・ツーリングの標準
  • レベル1:スポーティに走りたいとき
  • OFF:介入なし(経験者向け/オフロード風の未舗装路など)

Vツイン特有の力強いトルクでも、過度に制限されず自然に効くのが特徴。
“安心感を与えるタイプの電子制御”です。

双方向クイックシフター(ON/OFF切替可能)

アップ・ダウンの両方に対応したクイックシフターは、SV-7GXの快適性を支える重要装備。
スズキによると“シームレスで滑らか”な動作が特徴で、街中では疲労軽減に、ワインディングではテンポ良い走りにつながります。

しかも ON/OFF切替可能
「今日はクラッチで丁寧に…」という昔ながらの乗り方をしたい日も柔軟に対応できます。

イージースタート & 低回転アシスト

スズキの近年のモデルでおなじみの便利装備も当然装備。

  • イージースタート:ボタンひと押しで始動(押し続け不要)
  • 低回転アシスト:発進時のエンストを防ぎ、渋滞でも気持ちがラクになる

特に低回転アシストは、Vツインらしい鼓動を残しつつ、扱いやすさだけを上げてくれる名脇役。
SV初心者にも、久々にバイクへ戻ってくるリターンライダーにも優しい仕上がりです。

ライドバイワイヤ電子スロットルがベースで全体が統合されている

SV-7GXの電子制御が自然に感じられる理由は、電子スロットルが前提の設計だから
SDMS、STCS、クイックシフターが“後付け感”なく機能し、ライダーの意図にすっと馴染むように調整されています。

変に過保護でもなく、突き放されるわけでもなく。
まるで「少しだけ手助けしてくれる相棒」という表現がしっくりくる電子制御です。

新設計シャーシとサスペンション──軽さ・しなやかさ・安心感の“三拍子”が揃った新世代SV

SV-7GXのもうひとつの大きな魅力は、新しく設計されたトレリスフレームと足まわりのバランスです。SV650時代から「軽くて扱いやすい」という評価は定番でしたが、SV-7GXではその方向性を踏襲しつつ、アドベンチャー寄りの快適性とツアラー的な安定性を加えています。結果として、街中の低速もワインディングの切り返しも、ツーリングの巡航も、すべて“ちょうど良い”仕上がりになっています。

軽量トレリスフレーム:剛性バランスが心地よい“しなる”フレーム

SV-7GXのフレームは軽量な 鋼管トレリス構造
スズキはここで「低重心」と「適度なたわみ」を同時に狙っており、実際にスペックの211kgという車重から想像するよりも軽快に感じるはずです。

  • 剛性を必要な部分だけ強め、他はしなやかに
  • 直進安定性を確保しつつ、低速の取り回しが軽い
  • スポーツ走行でも“神経質にならない”懐の深さ

特に低速での安定感はSV650より増しており、アドベンチャージャンルに求められる“安心して扱える車体”がしっかり作り込まれています。

テレスコピックフォーク(41mm)とリンク式モノショック―万能型の足まわり

SV-7GXのサスペンションは、オンロード主体のクロスオーバーとして非常に素直な設定です。

●フロント:41mmテレスコピック(ストローク125mm)正立フォーク
●リア:リンク式モノショック(ストローク129mm / プリロード7段階調整)

派手な装備ではありませんが、このクラスに必要な条件をきちんと満たしています。

  • 段差のいなし方が柔らかめ
  • 長距離ツーリングでの疲労が少ない
  • コーナーではしっかり踏ん張る
  • 荷物やタンデムでも大きく破綻しない

リアのリンク式モノショックは、プリロード調整のみのシンプルな仕様ですが、そのぶんロングライドでもクセが出にくく、セッティングに悩む必要がありません。

スポーツツアラーな雰囲気なので倒立フォークを期待しましたが、ここはコストダウンされている点でしょう。

17.4Lタンクと長楕円スイングアームでツアラー寄りの安定感

タンク容量は 17.4L とミドルクラスでは大きめ。
スリムでニーグリップしやすい形状なのも好印象で、ツーリングのストレスがかなり減ります。

スイングアームは長楕円断面の強固な構造で、

  • ねじり剛性が高く
  • 後輪追従性が良く
  • 重積載でもふらつきにくい

という、まさに“ツーリングもしっかりこなせるSV”に仕上げられています。

740mmテーパードハンドル―SV650よりも“近くて楽”なポジション

ハンドルは 740mmの幅広テーパーバー
SV650よりもライダー側へ引かれた位置にあり、これがポジションに大きく影響しています。

  • 上半身が自然に起きる
  • 低速Uターンがしやすい
  • 長時間走っても肩が凝りにくい
  • 荷物の積載時、車体をコントロールしやすい

スポーツバイクのキレとツアラーの快適さを“ちょうど真ん中”でまとめたようなスタンスです。

ブレーキ & タイヤ──ミドルクラス以上の安心感を持つ“止まる・曲がる”性能

SV-7GXは「万能バイク」を名乗るだけあって、ブレーキとタイヤもクラスの枠を超える実力を持っています。SV650時代から“止まる力”には定評がありましたが、今回は車体のクロスオーバー化に合わせて制動力・安定性ともに底上げ。アドベンチャー的な“気軽に走れる安心感”をしっかり支える装備になっています。

290mmフローティングディスク+4ピストンキャリパー(フロント)

フロントまわりはミドルクラスの定番構成に見えて、実際はなかなかの高性能です。

  • 290mmの大径フローティングディスク
  • 4ピストンキャリパー

この組み合わせは制動力がしっかりしているだけでなく、フィーリングがとても扱いやすいのが特徴。
唐突に“ガツン”と効くタイプではなく、握り込み量に応じて段階的に制動が立ち上がるおだやかな味付けです。

クロスオーバーらしく、街中のノロノロ走行でも、ワインディングのブレーキングでも破綻しない。
ABSとの協調制御もよくできていて、雨の日でも安心感のあるタッチを維持してくれます。

リアは240mmディスクでコントロール性を重視

リア側は 240mmディスク を採用。
こちらも効きすぎを防ぐマイルドな設定で、

  • Uターン時の姿勢制御
  • 低速時の微調整
  • 荷物を積んだツーリング時の安定

といった場面で活躍します。

SV650はリアブレーキの扱いやすさにも定評がありましたが、その良さをしっかり受け継いでいます。

Pirelli ANGEL GT II(120/70ZR17・160/60ZR17)を標準装備

タイヤがまた抜かりなく、とうとう純正で ピレリ ANGEL GT II を履いてきました。この時点でスズキが「ツーリング性能」をかなり重視したことが読み取れます。

ANGEL GT II は、

  • 高いウェットグリップ
  • 長いライフ性能
  • 高速巡航の安定性
  • コーナリングでの素直な応答性

が特徴の“万能スポーツツーリングタイヤ”。純正でこれが入っていると、最初からタイヤ交換の心配をせずに長距離に出られるのは嬉しいポイントです。

SV-7GXのブレーキ&タイヤは、スペック表では派手に見えないかもしれませんが、そのフィーリングと総合力はクラス上位レベル。街乗り・峠・雨・高速…どこを走っても裏切らない“万能さ”を持っています。

クロスオーバーバイクに必要な要素をちゃんと押さえながら、SVシリーズの「親しみやすさ」を壊さない組み合わせになっています。

795mmという低いシート高──アドベンチャーバイクでは珍しい“足つきの良さ”が最大の武器

SV-7GXのスペック表を見てまず目が止まるのが、795mmというシート高です。
アドベンチャー系バイクでは800mm台後半〜850mm以上が当たり前の中、この数値はかなり異例。
というより、「本当にアドベンチャー(クロスオーバー)なの?」 と疑いたくなるほどの低さです。

ただ、これがSV-7GXの大きな魅力であり、設計思想の核心でもあります。

ADVに乗りたいけど“足つきであきらめていた人”の救世主になる設定

一般的なアドベンチャーバイクのシート高は…

  • V-Strom 650:835mm
  • X-ADV:820mm
  • NC750X:800mm
  • テネレ700:875mm
  • トレーサー9 GT:810mm

と、軒並み高い。
そこへ SV-7GXは795mm

街乗りメインの人や、リターンライダー、体格に不安がある人にとって、
“もう少し低いADVがあれば…”
“信号待ちでの不安がなければ…”
という悩みを一発で解決してくる数値です。

クロスオーバー系の中ではトップクラスに扱いやすいシート高と言っていいでしょう。

ただ低いだけではなく、シートの“厚み”があるのもポイント

SV-7GXのシートは単なる薄座りではなく、

  • 厚みのある新設計パッド
  • 前方は細く、後方は広く
  • 長距離で疲労しにくい構造

という、機能性と快適性を両立したデザインになっています。

シートを薄くして無理にシート高を下げたわけではないため、
“低い=ケツが痛い” という心配がないのがありがたいところ。

足つきの良さがそのままコントロール性につながる

シート高が低いことで得られるメリットは足つきだけではありません。

  • Uターンやタイトコーナーで姿勢を崩しにくい
  • 車体の起こしやすさが段違い
  • 荷物を積んだ状態でも扱いやすい
  • 信号待ちでストレスがない

アドベンチャー系は“楽に乗れる”と言われながら、実際は車高が高くて緊張するモデルが多いのですが、SV-7GXは本当に気軽に扱えるバイクです。

ハイシート(+25mm)も純正で用意されているのがスズキらしい

標準シートが低いことで、逆に「もっと腰高で乗りたい」という人の声にも応えています。
純正アクセサリーの ハイシート(+25mm) を装着すれば、

  • 細かい振動の減少
  • 前乗り〜後乗りのポジション調整
  • 長身ライダーの快適性アップ

など、選択肢が広がります。

低いシート+ハイシートの両立は、クロスオーバー市場ではかなり珍しいアプローチです。

SV-7GXは、アドベンチャーバイクの美味しいところ(直立ポジション・ツーリング性能)を残しながら、
弱点だった “車高の高さによる扱いにくさ” を完全に潰してきたモデルです。

この“795mm”という数字は、スペックとして地味に見えるかもしれませんが、
実際に乗ると 安心感・扱いやすさ・疲れにくさ のすべてに直結する、とても大きな魅力です。

最新電子機器とコネクティビティ──ツーリング派にも街乗り派にも刺さる“必要十分以上”のデジタル装備

SV-7GXはメカやシャーシだけでなく、電子デバイスの充実ぶりもミドルクラスとしてはかなり豪華です。
“装備だけ盛ったハイテク感”ではなく、実際に毎日使うシーンを想定して設計されているため、どれも便利に機能するのがポイント。スマホ連携や視認性の高いTFTなど、現代のライダーが求めている要素が過不足なく揃っています。

4.2インチ フルカラーTFTディスプレイ──視認性が本当に良い

SV-7GXのメインメーターには 4.2インチのフルカラーTFT を採用。
TFTというと“カラフルだけど視認性が微妙”というモデルもありますが、このメーターは色味や明暗バランスが自然で非常に見やすいのが特徴です。

表示項目も多く、必要な情報をすぐに把握できます。

  • ギアポジション
  • トラクションコントロール設定
  • ライドモード
  • 瞬間/平均燃費
  • 外気温
  • スピード/タコメーター
  • メンテナンスリマインダー

“情報量は多いのにごちゃつかない”という、最近のスズキらしいUI設計です。

Suzuki Ride Connect+スマートフォン連携が超便利

SV-7GXは、スズキの最新スマホ連携システム
「Suzuki Ride Connect+」 に対応しています。(iOS / Android)

バイクのTFTに以下の情報を表示可能:

  • ターンバイターンナビ
  • SIM通話通知
  • SMS / SNS通知
  • 天気予報
  • スケジュール表示
  • 警告/交通情報
  • 速度警告表示

さらに、アプリ側では以下のようなデータも確認できます。

  • 最終駐車位置
  • 走行ルート記録
  • ODO / TRIP / 燃費履歴
  • 燃料残量
  • 最低回転数(ODD)といったログ情報

「どこに停めたっけ?」問題も勝手に解決してくれるので、街乗り派にも便利。

USB-Cポート(5V/3A)でスマホ充電も万全

ハンドル付近のUSB-Cポートはしっかり 5V/3A出力
スマホの高速充電にも対応しており、ナビを使いながらでも充電が追いつきます。

  • ケーブルが邪魔にならない位置
  • 雨具などの操作性を損ねない取り付け角度
  • 走行中の抜け落ち防止にも配慮

このあたりの実用性はさすがスズキ、といった設計。

フルLED照明で夜間も安心・スタイリッシュ

  • デュアル機能LEDプロジェクターヘッドライト(ロービーム+ハイビーム)
  • スリムLEDポジションライト
  • LEDウインカー
  • LEDリアコンビネーションランプ

前後の造形も含めて、夜間の視認性とデザイン性が両立されています。

特にフロントのLEDプロジェクターは、明るすぎず暗すぎず、山道でも“怖くない光量”に調整されていると感じます。

デジタル化は“やりすぎない”のがスズキらしい。だから使いやすい

スズキのバイクは派手な電子装備こそ少ないですが、SV-7GXでは「必要なものだけ」「使いやすく」という姿勢がよく出ています。

  • ナビも天気も通知もまとめて表示
  • 夜間走行にも強いLED
  • 情報が整理されたTFT
  • ツーリング派に嬉しいログ機能
  • 街乗りで便利なUSB-C

“実際に使うと便利なものだけ”が揃っているので、
機能の多さに疲れることなく自然に使いこなせる構成です。

主要スペック一覧──数値で分かるSV-7GXの個性と“クロスオーバー設計”のバランス感

ここまで装備や特徴を詳しく見てきましたが、改めてスペックを一覧で眺めると SV-7GXが「SV650の延長線上にありつつ、まったく新しい路線」 であることがはっきり浮かび上がります。
軽すぎず重すぎず、車体は大柄すぎず小さすぎず。どこに置いてもちょうどいい絶妙なサイズ感です。

【主要スペック一覧(欧州仕様ベース)】

■ 車体サイズ・重量

項目内容
全長2,160 mm
全幅910 mm
全高1,295 mm
ホイールベース1,445 mm
地上高135 mm
シート高795 mm
車両重量(縁石)211 kg

■ エンジン・性能

項目内容
エンジン形式4ストローク・水冷・90°V型2気筒・DOHC
排気量645 cm³
ボア × ストローク81.0 mm × 62.6 mm
圧縮比11.2:1
最高出力54 kW / 8,500 rpm(約73.5 PS)
最大トルク64 Nm / 6,800 rpm(6.5 kgf·m)
燃料供給方式フューエルインジェクション
Euro規制Euro 5+ 対応

■ トランスミッション・駆動系

項目内容
変速機6速コンスタントメッシュ
一次減速比2.088(71/34)
最終減速比3.066(46/15)
点火方式トランジスタ式電子点火

■ サスペンション

部位仕様
フロント41mm正立テレスコピック(ストローク125 mm)
リアリンク式モノショック(ストローク129 mm、プリロード7段階)

■ ブレーキ・タイヤ

項目内容
フロントブレーキ290 mmフローティングディスク+4ピストンキャリパー
リアブレーキ240 mmディスク
フロントタイヤ120/70ZR17M/C (58W)
リアタイヤ160/60ZR17M/C (69W)
タイヤ銘柄Pirelli ANGEL GT II(ロード向け高性能ツーリングタイヤ)

■ その他装備

項目内容
燃料タンク容量17.4 L
オイル容量3.0 L
メーター4.2インチ フルカラーTFT
スマホ連携Suzuki Ride Connect⁺(iOS / Android)
USB電源USB-C(5V / 3A)
ライトフルLED(プロジェクターヘッドライト含む)
スクリーン3段階調整式
ハンドル740mmテーパードバー(SV650より近い位置)

スペックを俯瞰すると分かるSV-7GXの“絶妙な立ち位置”

  • 車重は211kg → ADVより軽く、ストリートより重い“中間”
  • シート高795mm → 圧倒的に低く、足つきでストレスがない
  • 17.4Lタンク → ツーリングを想定している容量
  • Vツイン645cc → 25年以上磨かれた“味のある”エンジン
  • 電子制御は最新 → でもやりすぎない“スズキ的バランス”

こうして並べると、SV-7GXが “ミドルクラスの日常〜ツーリングの最適解”を狙ったモデル であることがより明確になります。

「同クラスでここまでバランスがいいバイク、他にある?」
と素直に思ってしまうまとまりの良さです。

まとめ──“SVらしさ”を残しつつ時代に合わせて進化した、ちょうどいいクロスオーバー

SV-7GXは発表前の予想を良い意味で裏切るモデルでした。
「SV650が終わってしまうのでは…」という不安の中で登場したこのバイクは、SVの血筋をしっかり継ぎながらも、ただの後継機ではなく**まったく新しい方向性の“使えるクロスオーバー”**として完成しています。

乗ってみる前から想像できるのは、数字だけでは伝わりにくい“ちょうどよさ”。
スポーツバイクのキレと、アドベンチャーのラクさ。その中間を狙って作られた設計は、どこを切り取っても「乗り手の味方」になる仕上がりです。

  • 25年以上磨かれた645cc Vツインの熟成
  • 最新のSIRS電子制御で扱いやすく、ライダーの意図を邪魔しない自然さ
  • 直立ポジションと795mmという異例の低シート高
  • ロングツーリングでも安心な17.4Lタンク
  • ナビや通知に対応するスマホ連携
  • 実用性を重視したスクリーン・ナックルカバー・リアキャリアの標準装備
  • ピレリ Angel GT II など、足まわりも抜かりなし

こう並べると、SV-7GXは「とりあえず一台で何でもこなしたい」というライダーの願いをかなりの範囲で叶えるバイクだと分かります。

派手さはない。でも気負わず毎日乗れて、そのまま旅にも出られる。
ミドルクラスの“ちょうどいいバイク”を求めている人には、これ以上ない選択肢になるでしょう。

スズキがVツインを残してくれたことに、ちょっと嬉しくなるような──
そんな1台です。