帯の写真がとても力強い。
美しい目力だ。
こんな美しい方はどんな優雅な人生を歩んできたのだろう、どのような考えでアートを生み出しているのだろう。そのような興味で手に取ってみた。
そんな彼女はちょっとひどい言い方をすれば、変わった幼少期を過ごした人。上手く世間に馴染めないタイプ。不登校だったこともあったという。想像とは違う。東京藝術大学出身の天才ではない。
この本はこれからアートで生きていきたいと思っている人にぜひ読んで欲しいと思う。参考になるはずだ。
アートで生きていくポイントは創造し続けることと、人との出会いだ。
才能だけでは足りない。
引っ張り上げてくれる人の力がプラスされなくては、いつまでたっても自分だけの世界だ。世に出て、評価されなければ単なる絵が上手い人なのである。
つまるところ、チャンスを逃すなってこと。
人との出会いは運だ。
いい人と出会うかもしれないし、悪い人と出会うかもしれない。時期が早すぎる時も、遅すぎる時もある。また、出会った人の好き嫌いも影響する。
全て運。それが運命であり人生だ。
いい人と出会えば、その影響力は作品力を超える伝染力となって人から人へ伝わっていく。
あとは、生涯の創作テーマを見つけること。
これはピンポイントではなく。広くざっくりと。
このテーマと人の力がさらに大きな出会いを引っ張ってきてくれる。
創作が己の魂の浄化になるとさらに良い。
彼女の一節を引用する。
肉体の快楽はお金が解決するかもしれないけど、その肉体には限界がある。だからこそ魂を大切にするのだ。
芸術家になりたい人、生きづらさを感じている人にこの本は響くかもしれない。